「チクッとしますよ〜」
看護師さんの声と共に、腕に針が刺さる。
その瞬間、あるいはその数分後。
急に世界がセピア色になり、耳の奥で「キーン」という音が鳴り響き、冷や汗がドッと吹き出す。
「あ、これヤバい。倒れる。」
そう思った時にはもう遅く、次に気づくとベッドの上で、数人の看護師さんに「大丈夫ですか!?」と囲まれている。
「またやってしまった……。」
ただの採血なのに。ただの満員電車なのに。
周りに迷惑をかけた申し訳なさと、自分の体の「弱さ」への情けなさで、消えてなくなりたくなる。
わかります、その『スイッチが切れる』感覚……。私も注射が大の苦手で、健康診断の採血のたびに『ベッドに寝かせてください』と懇願する常習犯です。一度、駅のホームで倒れて救急車を呼ばれそうになった時の恥ずかしさは、一生のトラウマです(涙)。
この記事では、この厄介な「迷走神経反射(血管迷走神経反射)」と付き合いながら、倒れる前に食い止めるための、泥臭い物理的な防御策と、社会的なプライドの捨て方を紹介します。
1. 貧血じゃない! これは脳の「強制シャットダウン」だ
よく「脳貧血」と言われますが、鉄分不足の貧血とは別物です。
痛み、恐怖、ストレス、長時間の起立などが引き金になり、自律神経(迷走神経)が暴走して、急激に血圧が下がって脳に血が行かなくなる現象です。
20代・学生
女性A
私の場合は『痛み』がトリガー。ピアスの穴を開けた瞬間、痛くはないのに急に吐き気がして、鏡の前で崩れ落ちた。店員さんに水を飲ませてもらって、恥ずかしくて死にそうだった。『私ってこんなにビビリなの?』って自己嫌悪になる。
ビビリだからじゃないんです! 体が『緊急事態だ!血圧下げて出血防げ!』って過剰反応しちゃう、ある種の防御反応なんですよね。動物が天敵に会って『死んだふり』するのと同じらしいですよ。
30代・会社員
男性A
満員電車で急に冷や汗が出てくるあの感覚。一度経験すると予期不安になって、電車に乗るだけでドキドキする。倒れたら電車遅延させるかも……と思うと余計に緊張して、負のループに陥る。
予期不安、辛いですよね……。『またなるかも』という恐怖が、さらに迷走神経を刺激してしまうんです。心の問題じゃなくて、反射(システムのエラー)だと割り切るしかないんですよね。
2. 倒れる前の「3つの予兆」を見逃すな
スイッチが切れる直前、体は必ずサインを出しています。
これを無視して「我慢すれば治る」と思った人が、床に倒れます。
① 生あくびと冷や汗
30代・事務
女性B
眠くもないのに、急に大きなあくびが出る。その直後に、背中と手足から『冷たい汗』が吹き出してくる。このセットが来たら、あと3分以内に意識が飛ぶ合図。
生あくびは脳の酸素不足のサインですよね! 暑いわけじゃないのに出る『嫌な汗』も特徴的です。この時点で座らないとアウトです。
② 視界の「砂嵐」と音の「遠のき」
20代・フリーター
男性B
テレビの砂嵐みたいに、視界がザラザラして白くなっていく。あと、周りの話し声が『お風呂場の中』にいるみたいに反響して遠くなる。この状態になったら、もう立っていられない。
視覚と聴覚が遮断され始めるんですよね……。このフェーズに入ったら、もうプライドを捨てて行動するしかありません。
3. 倒れる寸前の「物理的」な悪あがき(PCM法)
医学的に推奨されている「失神回避法(PCM法)」というものがあります。
要は、筋肉に力を入れて無理やり血圧を上げ、脳に血を送る方法です。
① 足をクロスして、お尻を締め上げる
立ちくらみが来た瞬間、棒立ちしてはいけません。
40代・主婦
女性C
レジ待ちでヤバいと思ったら、その場で足をクロスさせて、お尻の穴と太ももに全力で力を入れる。見た目は『トイレ我慢してる人』だけど、これでふくらはぎのポンプ作用が働いて、血が上に登ってくるのがわかる。倒れて救急車呼ばれるより、トイレ我慢ポーズの方が100倍マシ。
その通りです! 見た目なんて気にしてる場合じゃないです。下半身の筋肉を収縮させて、血液を脳へ押し戻すイメージですね!
② 両手をフックして引っ張り合う
30代・エンジニア
男性C
胸の前で両手の指をフックさせて、左右に思いっきり引っ張る。顔が真っ赤になるくらい力を入れると、一瞬血圧が上がる気がする。電車の中で吊革につかまりながら、片手で拳を握りしめるだけでも効果あるよ。
これも血圧を上げるテクニックですね。とにかく全身を硬直させて『圧』を高めるのがポイントです。
4. 採血室での「完全降伏」宣言
病院での失神を防ぐ最強の方法は、戦わないことです。
20代・OL
女性D
昔は『大人なのに怖いなんて言えない』と思って座って採血してたけど、倒れてから開き直った。受付の時点で『迷走神経反射持ちです。絶対に倒れるので寝かせてください』と宣言する。看護師さんも『あら了解!ベッド行こうね〜』って慣れたもんで、逆に優しくしてくれる。
それが正解です! 倒れてから運ぶ方が、看護師さんにとっても重労働で迷惑がかかりますからね。最初から寝ていれば、血圧が下がっても意識を失うことはまずありません。
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5. 満員電車で「社会的な死」を選ぶか、「肉体的な死」を選ぶか
電車の中で予兆が来た時。「ここでしゃがんだら変な人だと思われる」という葛藤が一番の敵です。
50代・管理職
男性D
優先席の前とか関係なく、ヤバいと思ったらその場に体育座りでしゃがみ込むことにしてる。『大丈夫ですか?』って聞かれるけど、『貧血です、すみません』って言えば、誰かが席を譲ってくれるか、スペースを空けてくれる。立ったまま気絶して将棋倒しになるより、しゃがんで邪魔になる方が、周りへの被害は少ない。
その勇気が必要です……! 立ったまま倒れると、頭を打ったり、他人を巻き込んだりして大事故になります。しゃがむことは『安全確保』という立派なリスク管理です。
30代・販売員
女性E
電車に乗る前は必ず水分補給するし、カバンには常に『塩飴』を入れてる。お守りみたいなもの。あと、各駅停車に乗る。快速で駅間に閉じ込められるのが一番の恐怖だから。
各駅停車、わかります。いつでも脱出できる環境を作るだけで、交感神経の緊張が和らぎますもんね。
6. 倒れてしまった後のメンタルケア
それでも倒れてしまった時。自分を責めないでください。
20代・学生
女性F
駅の医務室で目が覚めた時、『また迷惑かけた』って泣きそうになったけど、駅員さんが『よくあることだから気にしないで』ってポカリくれた。人間の体なんて、ちょっとしたことでバグるもんだと割り切ることにした。
そう、バグなんです! あなたが弱いわけじゃなくて、神経の配線がちょっと敏感なだけ。誰にでも起こりうることですから、謝る必要はありません。
まとめ:その「弱さ」は、生存本能の強さかもしれない
迷走神経反射は、体が過剰にあなたを守ろうとして起きるエラーです。
「恥ずかしい」「情けない」と思う必要はありません。
- 採血は「寝て」受けるのがマナー
- 予兆が来たら、恥を捨ててその場に「しゃがむ」
- 足をクロスして筋肉に力を入れる(PCM法)
倒れる寸前のあの恐怖は、味わった人にしかわかりません。
でも、対処法を知っていれば、最悪の事態(怪我や完全な失神)は防げます。
次に視界が白くなったら、迷わずその場にうずくまってください。
あなたの命と頭を守れるのは、世間体ではなく、あなた自身の「しゃがむ勇気」だけなのですから。
私もカバンには常に水とチョコを入れています。もし街中でしゃがみ込んでいる人がいたら、『迷走神経かな?』って優しく見守りましょうね。お互い様ですから!
※本記事はWeb上の体験談や感想をまとめたものであり、効果には個人差があります。失神の原因には心臓疾患やてんかんなどが隠れている場合もあります。頻繁に失神を繰り返す場合は、循環器内科や神経内科を受診してください。
※参考・出典:Web上の医療情報サイト、SNSの闘病体験談より筆者が構成